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第56話 時代の移り変わり
私が現在のサーチビジネスを始めたのが、今から11年前になります。ひとつのビジネスをすでに11年もやってきたのか、という感慨があります。また、昨今のサブプライム、リーマンショックに端を発した100年に1度といわれる経済不況の中で、同業他社(サーチ会社も登録型の人材バンクも含めて)がバタバタと倒産しているようです。倒産には至らなくても厳しい状況が続いている会社もかなり多く、弊社も少なからず影響を受けています。なぜ、このようになったのでしょうか?色々と原因は考えられますが、一概に経済状況だけで話を終わらせることには無理があるようです。

人材紹介業というのは本来、クライアントのニーズやカルチャーなどをしっかりと理解し、他方でキャンディデイトのやりたいことや能力、ケミストリーなどを理解して、この両者にフィット感を見出してこそ、紹介して初めてご縁が生まれます。このようなご縁を見出すために、間に位置するコンサルタントには、一定水準以上の能力や経験が必要です。また、人材紹介業というビジネスは採用したクライアント、採用されたキャンディデイト、紹介した我々エージェントの3者が3ヶ月から6ヶ月ぐらいで関与した仕事の結果が成功か、失敗か、はっきりと結論のでるビジネスです。すなわち、転職して、採用して、紹介して良かったのかどうかが各々の眼に見える形で現れるビジネスなのです。生命保険の営業は非常に難しいと言われますが、その保険を勧めてよかったのかどうか、契約者にとっても、成約した後にすぐに結果が出るものでもありません。また、どこどこの保険に入って大失敗したという話もあまり聞きません。その意味では我々のビジネスは比較的短期に結果がはっきりと出るわけですから、かなりシビアといわざるを得ません。いわば誰にでもできるビジネスではないのですが、いつの間にか、誰でも参加できるビジネスになってしまいました。とりあえずレジュメをクライアントに投げ、首尾よくキャンディデイトに入社してもらい、フィーを頂くことばかりに注力し、入社後にキャンディデイトが遣り甲斐のある仕事ができ、クライアントも良い人を採用できて満足、という両者が納得できる結果を出すことは二の次だったところに問題点が出始めてきました。

同様の例が、リテイナー契約の激減にも表れています。リテイナー契約とは人を探すに当たって、先にフィーの全額、2/3、1/3などを頂き、担保を取りながら良い人材を2ヶ月から4ヶ月ぐらいで探していく契約形態です。昔はこの契約形態がほとんどでしたが、最近は激減してしまいました。その理由は、リテイナー契約を結んで、前金を払ってもクライアントが求めるような人材が得られないケースが多くなり、クライアントがリテイナー契約を敬遠するようになったからです。

さらに最近では、クライアント側に以下のような新たな動きが少しずつ見られるようになってきました。ひとつは、比較的有名で、そこで働きたいと思うキャンディデイトが多い人気会社では、若手の中途採用はWEB経由で直接公募し、それ以外は人事部の社員が自ら直接ハンティングをするといった例です。もちろん、すべてのポジションのカバーはできませんので、難しい案件はプロとして我々のところにご相談がありますが、その分、中途採用の案件が少なくなっています。

もうひとつは、増やしすぎたエージェントの選別が、クライアント内で始まってきたことです。こちらは考えてみれば、至極当たり前で、今までどうして選別してこなかったのかが不思議なくらいです。書類選考時での通過率、1次面接の通過率、採用率や採用人数、紹介者のクオリティなどのログをしっかりと取って、比率の低いエージェント、効率の悪いエージェント、クオリティが確保できていないエージェントには案件情報を渡さない、契約を更新しない、もしくは解除するといった動きです。

いままで登録型や一部のサーチ型エージェントでも手当たり次第にキャンディデイトを紹介し、クライアントの担当者が膨大な時間やコストを掛けて選別していた事実があります。これではいくら採用スタッフがいても足りません。弊社のように、ある程度キャンディデイトをスクリーニングして紹介するエージェントと比べると、明らかに一人当たりの採用コスト(書類選考、面接のセッティング、面接などにかかる時間)は違いますが、それでも採用時のエージェントへのフィーはあまり大差がなかったように思います。採用する側のクライアントでも、ようやくこのあたりのコスト意識が出てきたようで、通り一遍のやり方では、ビジネスが継続できなくなってきているのも事実です。

一方、クライアントが求める人材の年齢層にも大きな変化が出てきています。私が始めた11年ぐらい前は、ストライクゾーンが概ね40代半ばだったように思います。最近では30代半ばから高くても40代半ばまでがメーンのようです。もちろん、外資の社長、役員、本部長、部長クラスで40代後半から50代のポジションもたまにはありますが、やはり主流は30代後半から40代前半までといった年代が求められています。企業によってですが、役員クラスのエグゼクティブといえども40代はよほど実績があるか、ずば抜けて優秀でないとなかなか採用しない会社も少しずつ増えてきています。

私がこのビジネスをやり始めた11年前と本当に様変わりの様相です。ビジネスは生きていて、刻一刻と変わっていくのですね。クライアントのニーズや社会の動きを的確に捉えながら生き残りをかけて、しっかりと企業努力をしていきたいと私共も心に刻んでおります。皆様のご支援・ご鞭撻を何卒宜しくお願い申し上げます。
ファウンダー&パートナー 竹氏 彰
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